平成最後の大晦日です。今年も光明寺では年越しの祈祷に合わせ、訪れた皆様に『光明寺の鐘』を撞いていただきます。今年一何の厄払いをするとともに、新年の幸せを一緒にお祈りしましょう。
日 時 : 平成30年 12月 31日
※ 鐘楼開放はPM11:45~AM1:30まで
場 所 : 光明寺境内
※ 当日は無料で甘酒が振る舞われ、破魔矢の販売も行われます。
除夜の鐘は、心の中に在る煩悩(ぼんのう)を振り払うためにを撞く(つく)と言われます。『煩悩』とは何かと言えば、それは読んで字のごとく『煩い悩む様』をいいます。つまり人の心の動きです。
さて煩悩と言いますと、あたかも悩みや欲望そのものである”苦しみ”と捉える事が多いのですが、煩悩が必ずしも”苦”だけとは限らない事は知っておいてください。『子煩悩』と云う「子供を愛する様」を表現した言葉が好例でしょう。煩悩は悩みの対象次第では生き甲斐にもなり得ます。ゆえに除夜の鐘は一年を振り返り不毛な欲を捨て去る事で”苦しみ”の煩悩を振り払い、新しい一年に向けた”夢”や”希望”に伴う”生き甲斐”としての煩悩に向き合う為に打ち鳴らしてください。
ところで仏教では、人には百八つの煩悩があると考えられています。有名な中国の古典娯楽小説『水滸伝』に活躍する108人の英雄も煩悩(人の世の苦しみ)から生まれたとされています。しかし仏教における108の煩悩とは『とても多い』という意味で用いられており、種類や量を示す数字ではありません。煩悩(悩み)の数など人それぞれです。ゆえに除夜の鐘を撞く数も108回に拘る意味は有りません。